トランサミンを犬や猫に使っても平気なの?

トランサミンを犬や猫、うさぎなどに利用する場合


トランサミンは人間が使用する場合は基本的に止血剤・抗炎症剤として利用されています。犬や猫、うさぎにも同じような効果がありますが、それに加えて誤飲・誤食の際の催吐剤(静脈注射)として使われていることも多いようです。動物にトランサミンを投与する理由や、注意点について解説していきます。

 

トランサミンの作用機序

 

犬などのペットも人間も血が固まる際のメカニズムは同じです。

 

血が固まる時にはフィブリンという物質が重要な働きをします。怪我をして出血した時にフィブリンが正常に働いているのであれば、すぐに血は固まります。これは血栓と呼ばれています。血栓というのはフィブリンの塊と言い換えてもいいでしょう。

 

出血を止める為に血栓はとても重要なものですが、もしも血栓が大きくなりすぎた状態で脳に流れてしまうと脳梗塞となります。心臓の血管に詰まった場合は心筋梗塞です。これらを防ぐために、プラスミンという物質があります。プラスミンはフィブリンの分解に関わっています。プラスミンが活発には働くと血栓は分解されていきます。

 

血を固めるのがフィブリン、固まった血を溶かすのがプラスミンと考えていいでしょう。

 

トランサミンは血を溶かす作用を持ったプラスミンの働きを邪魔します。この作用を使って血が固まりやすくなり、出血が止まりやすくなるように体内のバランスを調整するのです。

 

どんなタイミングで服用するのかもほぼ同じです。具体的にどんな症状の際に処方されるのかというと、白血病などで出血しやすく症状を抑える、また膀胱炎等による血尿を和らげるといった治療に利用されます。また、手術をする際の止血剤に使われることもあります。

 

犬や猫、うさぎなどの動物にトランサミンを使用する理由

止血剤としての利用方法は人間・ペットで共通の利用方法になります。ペット限定では副作用に吐き気があることを利用して誤飲・誤食対策の催吐剤としても使います。

 

催吐剤として有名なものは3種類あります。

 

オキシドール 胃に大きな負担がかかる、服用させづらい
高濃度食塩水 胃に大きな負担がかかる、体内のナトリウム濃度が上がる
トランサミン 血が固まりやすくなる、腎臓に小さな負担がかかる

 

オキシドールの場合は普通に飲ませることが困難ですのでチューブを通す必要があります。また、食塩の場合は体内のナトリウム濃度が急上昇してしまうのも危険です。そして両者の共通点として胃にダメージを与えて無理やり吐かせますので胃がかなり荒れてしまうのを覚悟しなければなりません。

 

その点、トランサミンは副作用としての吐き気を利用しますので胃へのダメージはありません。投与方法も静脈注射によるものですので、比較的簡単に短時間で投与できるでしょう。

 

三者三様のデメリットはありますが、トランサミンであればペットにかける負担が小さいこともあって催吐剤として使われていることが多いです。

 

犬や猫、うさぎなどにトランサミンを使う時の注意点

 

血液ドロドロの高脂血の場合

上で説明したように、トランサミンには「血を固まりやすくする」効果があります。体内が血が固まりづらい状態であればバランスを取るのに役立ちますが、逆に血が固まりやすい状態で服用すると体内のバランスはより一層悪くなってしまいます。

 

例えば元々高脂血症などで血栓ができやすい場合、血栓を溶かす効果を持ったプラスミンの働きを阻害しますので、血栓が溶けづらくなり、脳梗塞・心筋梗塞のリスクが上がります。高血圧の場合にも使用には注意しましょう。

 

トランサミンは血栓を安定させる医薬品ですから、血管が詰まりやすい状態での使用には気をつけましょう。

 

腎臓で代謝を行うので腎機能が弱っている場合は注意

トランサミンの代謝は腎臓で行われます。腎臓が健康な状態であれば何の問題もありませんが、腎臓が弱っていればちょっとした負担が大きなダメージにもなりかねません。特に高齢で腎臓が弱っている場合には注意が必要です。

 

また腎機能が弱っていると代謝(薬を体の外に出すこと)しづらくなります。代謝しづらくなると薬の効果が大きくなったり、長くなったりしますので副作用が出てしまった場合に苦しむ可能性があります。

 

とはいえ、副作用が出たらかわいそうだからと自己判断で薬を与えるのを中止してはいけません。必ず獣医に相談するようにしましょう。治療のためには副作用を我慢しなければならないこともあります。そういったことも獣医は総合的に判断して薬を処方してくれています。

 

もしも、腎臓が弱っていたり腎臓に持病がある場合は必ず獣医に知らせましょう。

 

誤飲対策で使う場合は必ず病院で

犬や猫、うさぎなどを飼っている方につきもののトラブルとして「誤飲・誤食」があります。もしもそうなってしまったら一刻も早く吐かせる必要があります。

 

そこで、トランサミンを催吐剤として利用できると聞いて飲ませている方もいるようですが、実はそれはほとんど意味がありません。

 

トランサミンの副作用として「吐き気」があること自体は間違いではありません。しかし、その副作用はとても小さいものであり、トランサミンを飲ませたところで飲みこんだものを吐き出してくれることはほとんどありません。病院で獣医の立会いの下、静脈注射してはじめて飲み込んだものを吐き出してくれるような催吐効果があるのです。

 

また、効果が少ないなら沢山飲ませればいいというものでもありません。吐き気以外の作用も当然大きくなりますので、返って健康を損なう可能性があります。もしも、気休め程度の効果を期待して飲ませる場合でも用法用量外の服用は絶対にやめましょう。

 

念の為飲ませてみるくらいならいいかもしれませんが、一刻も早く病院に連れて行くのがベストでしょう。

 

誤飲・誤食対策にトランサミンの錠剤を飲ませても意味はありません。病院で静脈注射をしないと効果がないことを覚えておいてください。

 

 

 

いずれの場合でも自己判断で薬を多くあげたり、薬を中止するなどせずにあれ?と思ったらすぐに獣医に確認することが何よりも大切です。

 

トランサミンはこんな薬

トランサミンとは第一三共株式会社から販売されている、トラネキサム酸を主成分とする薬です。体内にはタンパク質を分解するプラスミンという酵素がありますが、トラネキサム酸はこの酵素の働きを阻害する作用があります。この薬は昔からのどの痛みを抑える薬として、ともに風邪をひいたときなどに使用されてきました。しかし近年ではトランサミンに美白効果が認められ、シミを消すことに期待ができるとして注目を集めています。

 

トランサミンには様々な形があり、錠剤やカプセルなどを服用します。基本的な効果は同じですが、トラネキサム酸の含有量や用法などには、やや違いがあります。それでは具体的には1日にどれくらいの量を服用すればよいのでしょうか。

 

まずトランサミン錠、もしくはカプセル250ミリグラムの場合には、1日に3から8カプセルを、3から4回に分けて服用します。服用する量は年齢や症状に合わせて医師が判断します。医師の指示に従って用法や用量を守るようにしましょう。トランサミン錠500ミリグラムの場合には、1日に2から4錠を、3から4回に分けて服用します。錠剤のみで、こちらも医師の指示に従い服用するようにしましょう。そしてシロップもあります。年齢によって服用量が異なり、1日に3から4回に分けて服用します。その他に粉薬のトランサミン散50%や注射や点滴などで投与するトランサミン注5%、10%が存在します。

 
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